あんたとあたし。

X







 

 目が覚めると、太陽は既に昇りきっていた。

 扇風機がむなしげに首を振っている。


 がばっと勢いよく起き上がると、何をするわけでもなく、下に降りた。


 珍しく廊下がひんやりとしていて、リビングでクーラーを点けてると分かった。


 こんな真昼間から・・・。


 明ちゃんは仕事に出てるから、当然、クーラーを点けてるのは祥志のやつだ。

 なんて、贅沢な。


 ドアノブに手をかけ、思いっきり扉を押した。


 リビングには目もくれず、ダイニングへ向かい、冷蔵庫からミルクティーを取り出し、カウンターから、リビングを覗いた。


 ・・・誰だあれ。


 テレビの前のソファーに座る2つの影。


 女と男。

 祥志はその子たちを斜めに見る角度で座っている。


 見覚えあるんだけどなぁ・・・。

 寝起きの頭はすっきりしない。


 ・・・あっ!!!


「・・・彩っ!修も!」



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