あんたとあたし。








 考えるほど、難しくなって。


 混乱し始めたころ、ちょうど、家が目の前に…。



 って、自分で歩いてここまで来たんじゃん。



 ・・・明ちゃん、怒ってなかったらいいけど。





 出迎えてくれたのは祥志(ショウジ)だった。

 「おかえり」の一言もなく、奥に行ってしまった。


 ・・・愛想のないやつ。



 あたしの親父、林野明良(ハヤシノアキラ)はよくわかんないけど、結構な金持ち。


 ドバイがどーのこーの言って、小学校卒業と同時に日本を発ったきり、

 お盆と正月、あとは、親父の気まぐれで帰ってくる以外は会ってない。


 あたしは、親父の姉、つまり伯母とその子供、従兄と生活している。


 この家は、親父が、自由に使っていいぞって、残して行ったモノの一つ。




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