あんたとあたし。



 ついでに出た、変な声に自分でビックリしちゃって。
 目の前にいる、啓の状態に一番びっくりして、対処に困る。


「えっと・・・啓?」


 わけもわからないまま、とりあえず名前を呼ぶ。


「やっぱ、なんもねぇーよっ!」

「わっ。」


 さっと立ち上がって、上からあたしを見下ろす。

 …なにこれ。


「じゃあ、なんで呼び出したりすんのよ。」

「言いたいこと、あったんだよ。」

「なら、それ言ってよ。」

「それはムリ。」

「なにそれ。わけわかんない。」


 笑いながら言ってやる。別に、本気で怒ってるわけじゃない。じゃれてるだけ。
 ははっ、と笑うと、啓が反対方向を向いた。




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