あんたとあたし。





「お願いだって。もう文句言わねーし、挑発もしねーって。」

「いくら頼まれたって無理だよ。」


 そこで佐々木のケータイが鳴った。

 さすがに空気を読まな過ぎると思ったのか、苦笑いしてリビングを出って行った。


「どうしても、無理か?」

「なんで、そんなにあたしにこだわんの?」

「野球部員のご指名だよ。お前がマネージャーやるんだったら、練習に気合が入るんだって。」

「動機不純じゃーん。余計無理だよ。」


 「お願いします。この通り。」と言って土下座みたいな真似をする祥志。

 てか、そもそも、男は嫌なんだって。ほんとに。

 橘龍のおかげで、治ったのか?!ってあたしも彩も思ってた。

 けど、この前、彩ん家行ったとき、彩のお兄ちゃんと弟、従兄の弘貴、その弟の貴翔と彩のお父さんがいただけで、倒れかけて、治ってない事実が発覚。


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