初心者レンアイ(仮)
「だから違うって言ってるだろ!」
びっくりする位大きな声を上げ、広川は立ち上がった。
え…
グイッと手首を掴まれる。
野球をやってるからなのか、強い力が手首にかかり、締め付けられる。
痛い。
「ちょっ…い、たい。」
苦痛の声を上げる。
しかし顔を上げると、そこにあったのは広川の切なそうな顔。
どうして?
どうしてそんな悲しそうな顔をしているの…?
「とにかく…アイツとは何でもないから。」
そい吐き捨てた広川は、バッグを持って教室を飛び出した。
手首にはくっきりと、広川の手の跡。
それさえも愛しく感じて、私はその跡をなぞる。
あんなに怒ったのは、あの女の子が本当に好きだから?
照れ隠し?
それとも…
私に誤解されたく無かったから?
…ううん、違うね。
そんなはずない。
広川がだんだん分からなくなってきて…
私は一人、ため息をついた。