初心者レンアイ(仮)


その時だった。



「どこに行ってんの?」



聞こえた、低音の声。


広川だった。




「あ…ちょっと、相談に乗って貰おうと思って。」




急にどうしたんだろう。

さっきまで、私から目を反らしてたクセに。




「なんで、俺に話さないの?」




え?




「俺の方が、筒井より一緒にいる機会多いじゃん。なんで?」



そんなの…言えないよ。



本人の前で、本人のことについて相談とか出来る訳ない。




私が困惑してると、健吾くんが私の腕を掴み、広川を一瞥した。



「僕にしか、話せ無いことだよ。」



私は腕を引っ張られた。



「えっ…健吾くん!?」



そのまま、空き教室へと連れて行かれた。





広川は、黙ったまま私達を見ていた。

< 36 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop