‐hide‐ハイド
「あっ、松江さん。おはよ~」
私と目が合うと、昨日と変わらない笑顔で挨拶をしてくれる。
その笑顔にはやっぱり痛みなんて感じ取れなくて、
そんな彼女に少し不満を抱いた。
…どうして笑ってられるの?
自然に眉が寄る。
「福島さん…おはよ」
返事をする。
「身体大丈夫?」
私の問いに、また笑って彼女は言うんだ。
「階段から派手に転んじゃってさ~」
偽りを。
「そうなんだ。気をつけてね」
…あの集団に。