DIABOLOS~哀婉の詩~
最後の戦い
“またきやがった!””みんな立ってくれ!!”“起きろ!起きろ!!”“俺はもう立てない・・・”“俺はもうだめだ・・・・殺してくれ・・・”“あぁ・・・・神様・・・”“お願いだ・・・・誰か・・・”“もうだめだ・・・・”
そこには、嘆きの叫び、必死にみなを奮い立たせようとする叫び、傷の痛みに耐える叫びが行き交う。まもなく、この国は滅びるだろう・・・今、戦う事ができるのは、我々のみだ。こうして、我々5人は我々の存在理由を示すため、戦に身を落とした。
トマス・ヨハネは、長剣を取り、タダイは二股の槍を取り、ユダは弓を取り、僕は剣を取った。
『お前たちは、逃げろ・・・・・・後は僕たちが食い止める・・・・・』
そう言った後、我々は馬に跨り、何万もの闇の住人達が潜む崖に向けて、馬を走らせた。闇が広がる中、我々は、颯爽と駆けていく。僕の脳裏には、いつも夢で見るあの光景が見えていた。脳裏に蘇る。母親を突き刺した闇の住人が。今、この時だけは、憎しみ、激しい憎悪に犯されていたい。僕は、母親を突き刺した闇の住人と今対峙しようとしている闇の住人達を重ね合わせた。その時、闇の住人達が放った矢が雨の様に降り注いできた。覚醒を果たした我々は、いとも簡単に、雨の様に降り注ぐ矢を掻い潜った。もう、国がどうなろうと僕には関係なかった。誰かの為に戦うのではなく自分の為に戦うことにした。また、矢が僕に向かってきた。僕には、矢が止まって見えていた。僕は向かってきた矢を片手で掴んだ。憎い・・・・・憎い・・・憎イ・・・・ニクイ・・・僕から全てを奪ったやつらが憎い。我々は各々の武器を手に取った。
『おぉぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!』
こうして我々は、数万人の闇の住人達と対峙した。
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