明日への光
玄関には長くカールがかかった髪に触れている撫子が退屈そうに座っていた。
鈴蘭「待たせてごめんね・・帰るの遅くなったし帰ろうっか。」

撫子「鈴蘭遅いよ~もう外真っ暗だし早く帰ろうよ。」

いつものように他愛のない話をして校舎を出た頃、改まって撫子が問いかけてきた。
撫子「そういえばさっき桜木先生に呼び出されてたよね~戻ってきてから鈴蘭ずっと笑顔だし
何か良いことあったんでしょ?隠しても無駄だよ!」意地悪そうな笑顔で私に問い詰めてきた。

鈴蘭「やっぱ顔に出ちゃってるかぁ~実はね、私の憧れの飛風純率いる選抜チームに入らないかって誘われたんだよね。めっちゃ嬉しくてさ!夢に一歩近づける感じだし!!」

撫子「あの飛風監督に!?凄いじゃん鈴蘭!これでマラソン選手にかなり近づけるんじゃない?
日頃の努力が認められたんだね。もちろん参加するんでしょ?」

鈴蘭「確かに嬉しいけど選抜チームに行ったら自分が別世界の人になりそうなんだよね。。。
そしたら撫子とも一緒に居れないし、部活仲間や両親やまだ幼い紫苑とも遊んだり出来なくなる
から正直どうしようか悩んでるんだ。。まぁ家帰ったら家族に話してみるよ!!」

撫子「最後に決めるのは鈴蘭だけど鈴蘭は自分のことより人のこと優先に考えるから、自分がどうしたいかで決めるべきだと思うよ!決まったら教えてね」

撫子とこの話題を話している間に私の家と撫子の家を挟む境界線変わりとなった近所の喫茶店
で別れそれぞれの家に向け帰って行った。

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