恋人ごっこ 〜幼なじみと Love☆battle〜
−学校−
学校は、いつにも増して、騒がしかった。
まあ、今まで【幼なじみ】以外の何物でもなかった(少々仲が良すぎるが)学園の姫と、学園の王子が、実は恋人だったというのだから、当然の事なのだが。
リョウ)「あ、あの!
小日向さん!!」
昨日の朝、葵に告白した少年――小西 涼――が、葵に話しかけて来た。
うわっ・・・
また告白?
・・・残念ながら、葵は声だけでは全く思い出せないらしいが。
内心、嫌がりながらも、声のした方を振り返った。
アオイ)「なに―――ぁ。小西君(だよね?)。」
リョウ)「あ、あのっ、昨日は、すみませんでした!!!
俺、小日向さんが、太田君と付き合ってる事知らなくて・・・
本当にすみませんでした!!!」
小西君は、勢いよく頭を下げた。
え?
告白・・・・・・じゃ、ない??
あ、そっか!
付き合ってる人がいる = 告白してこない!
・・・・・・・・・恋人ごっこ、メリットあるじゃんっ!!
アオイ)「大丈夫だよ♪
わざわざありがとう。」
恋人ごっこのメリットを見つけ、上機嫌な葵は、最高級の笑顔を向けたのだった。
(この辺は無自覚。)