sa.ku.ra

けれど、この季節だけはいけない。

桜の香りにやられると、

あたしは、そいつを喰らってしまう。

途中で理性が蘇ったことはないけれど、

喰らい付いている途中で、突然、

いつもの自分に戻る。

なんて、いつかなったらどうしよう。

考えるのもおぞましい。

けれど、腹におさめていることは、間違いがなさそうなのだ。



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