Sorcery Game



諒は膝から崩れ落ち、目の前で起きていることを眼を見開いてみていた。

諒の前に飛び込んだ武装兵A1の胸に蛾のストローが突き刺さり、血を吸われているんだ。

俺が…

俺が行かなきゃ…


俺は、奮える足を動かした。

大丈夫だ…

思ったよりいける……

俺は、巨大な蛾に向かって走り始めた。

血の臭いが辺りに広がり、鼻を突く。

A1は、光となって消え、俺は蛾の目の前で熱拳を使った。

右腕に身体中から熱が集まり、腕を螺旋状に回っている。

標的を無くした蛾は、回避しようと上空へ逃げようとする。

「逃がしませんわ!!」

麗華が素早く反応し、水の矢を二発、羽に打ち込んだ。

もちろん矢は貫通し、蛾は奇妙な音を出しながら不規則に揺れて落ちてくる。



ここだ!!!


俺は、蛾の腹部に熱拳をたたき込んだ。


軟らかく気持ち悪い感触が腕から肩へと広がり、鳥肌が立つ。

しかし、蛾は吹き飛ばされ、背後の木にぶつかって動かなくなった。

なんか…

俺、トラウマになりそうだな…

あ〜!!

気色わりぃ!!!

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