私の恋and事件簿♥
第3部 ⑤〜至福〜



「ヤダ!ヤダヤダ!」



「仕方ないんだっ!」



署に戻ったら、私は兄貴から夜勤を言い渡された。

沼田さんがお通夜が入ったとかで、私が夜勤。

…疲れてるのに無理だぁっ!



「北斗、帰るよ!」



「…………1万やる」



…何ですと――ッ!?

お年玉もくれなかったような兄貴が、1万円もくれるの??

いつかの5円チョコの間違えじゃなくて??

私は喉をゴクリと鳴らしながら、兄貴へと振り返った。

兄貴は「ほれほれー」と、1万円札をピラピラさせてる。



「…迷うのかよ」



北斗の呆れ顔に私はハッとした。
< 271 / 330 >

この作品をシェア

pagetop