私の恋and事件簿♥
夫として、男として、俺は守らないといけないのに、それが俺には出来てない。

苺愛の正義感には、足元にも及ばないほど、人として未熟だと思う。



「山下さん…?」



「はい」



「涙、出てますよ…」



…え…?

俺は差し出されたティッシュを見ながら、頬に触れた。

指先についた滴…明らかな涙だった。



「すいません…」



…何を泣いてんだ…。

俺はティッシュを受け取り、目を拭き、苺愛の右手を両手で握り、目頭を押し当てた。

こんなにも、自分が苺愛に弱いなんて、今日の今日まで気付かなかった。
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