私の恋and事件簿♥
松井さんは俺の方を向き、状況やこれからを説明する。



「一緒に来てくれますか?」



「………はい」



俺は野神先輩を見て、了解を得てから頷いた。

勝手に返事をしてついて行ったら、苺愛は絶対に怒るだろうから。

救急車に乗り込み、経緯を話すと、片桐さんは、「苺愛ちゃんらしいわね…」と、寂しそうに言う。

俺はただ、苺愛の手を握る。

いつも通り、温かい手に救われる俺がいる。

あの時、止めなかった自分が悔しいが、でも…、止めても苺愛は俺の手を振り払っただろう。

…ごめんな…?

一緒に行く考えを、今になって思い付いた。
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