愛しているから、さようなら!【BL】


「ちょっと、何するの?」

「ん?確認ー……なんもしないって」


笑いながらボタンを数個外し、
そして鏡に映った僕の姿を凝視し、呟く。

「……見えない」


そして肩に置いていた手を片方、
再び首元に持っていき、
中に着ていたTシャツの襟を引き下げた。


「伸びるから止めて」

彼の意図は解ったけれど、
折角、なるべく首元の開いていない物を
選んで着ているのだから、
その小さい努力を無駄にしないでほしい。


僕の言葉を気にも留めず、
彼は襟を引っ張ったまま、指でなぞった。

昨夜つけられた鬱血の跡を。



< 114 / 150 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop