愛しているから、さようなら!【BL】
「ちょっと、何するの?」
「ん?確認ー……なんもしないって」
笑いながらボタンを数個外し、
そして鏡に映った僕の姿を凝視し、呟く。
「……見えない」
そして肩に置いていた手を片方、
再び首元に持っていき、
中に着ていたTシャツの襟を引き下げた。
「伸びるから止めて」
彼の意図は解ったけれど、
折角、なるべく首元の開いていない物を
選んで着ているのだから、
その小さい努力を無駄にしないでほしい。
僕の言葉を気にも留めず、
彼は襟を引っ張ったまま、指でなぞった。
昨夜つけられた鬱血の跡を。