愛しているから、さようなら!【BL】


「……なんで?」

「練習?」

なんの?とは、言えない。

訊いてしまったら、きっと彼は言う。
解っているから、聞きたくない。

最終的には僕に
あれをあれさせるつもりなのだろうか。
うん……アレだな。

別にその行為をやりたくない訳では無い。
でもあれだ。
突然何を言い出すんだよ。


帰宅早々、真昼間に。


「嫌なら、逆に俺がやるから」

手ぇ貸して。と言われた。

それはそれで、気恥ずかしい物がある。


……するか、されるか。

どっちがいいだろう。



選びかねていると、彼が提案する。


「じゃあ、じゃんけんしよう」

鬼ごっこの鬼を決める子供のように、
まるで無邪気だ。


言われるままにじゃんけんをする。

勝った方が咥えるらしい。


< 99 / 150 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop