愛しているから、さようなら!【BL】
……僕はパー。彼はグー。
結局、最初の要望通りになった。
「はい、どうぞ」
楽しそうに彼は指を差し出す。
パク、と、とりあえずくわえる。
……で、どうすればいいんだ?
視線を送ると意思が伝わったのか、
しかし彼も『んー』と、うなり
「とりあえず舐めて?」
そう言われたので、
口の中の指に舌を這わせる。
……少しの間それをやっていると、
何だか悟りを開けるような気になった。
いや、無我の境地にでも立ってみないと
段々と気恥ずかしさが勝ってきてしまう。
何やってるんだろう、僕。と
そんなちょっとした後悔が頭を巡る。
だからあえて何も考えない!
無心になって舐めていると、彼が呟く。
「……この光景いいな……」
やっぱり達観なんてしてられない!