【長】さくらんぼ


憂「………嘘とか言わないよな?」


少しだけ顔をあげてあたしを見つめる


そして少しの沈黙の後、やっと我に返ったあたし


香菜「……嘘なんか…言わないよ?」


もう立ってるのもやっとなぐらい一杯一杯だった




そのとき




ぎゅっ




勢いよく立ち上がった憂は、そのままの勢いであたしを抱きしめてくれた




憂「ありがとう…やばいっ…まじでうれしい……」


そう言う憂の声はなんだか震えてるような気がした


あたしも憂の背中に手をまわして抱きしめ返した




…………しばらくあたしたちは、痛いぐらいに強く抱き合ったまま

お互い言葉を発することはなかった





こうするまで




十年かかった




それを取り戻すかのような時間が過ぎる







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