‐近距離恋愛‐
部屋に入ると
2人でソファーに腰掛ける。
「おいで?」
足を広げてこっちを見る夏都が言った
あたしは
黙ってそこに座る。
「何を思ってるんだか話してごらん?」
いつもの優しい口調で夏都はいった。
後ろからぎゅってされる背中が暖かくて…
「夏都、どこかに行っちゃうの?あたしん事嫌いになった?」
夏都は優しく微笑んだ。
「蒼空は環境が変わったら俺を嫌いになっちゃう?絶対に俺と同じ家で暮らしてなきゃ、気持ち無くなっちゃうの?」
「わかんないよ。ただ一緒にいれないのは嫌だよ。」
「蒼空が通ってる学校の近くにアパートできるだろ?そこに住む。」
「なんでここに住まないの?」
「もう高校生で、一人暮らしも出来る。いつまでも迷惑はかけてらんないだろ?」
そんなの…
「そんな事ないよっ」
「それは蒼空が決める事じゃない。それに、おばさんは了承してくれた。」
「了承???」
「あぁ、一緒に住んでいいって。あとはおじさんだけ。説得しなきゃな。」
「あたし頑張る」