転生と赤い糸



・・アレ・・いつもなら目が覚める頃なのに・・・





なんで・・・?






「・・・すよ・・・」





女の人の声が聞こえる・・・






「・・・すぐ・・・・え・・ますよ・・・う・・さん・・」






誰?あたしに言ってるの??





聞こえないから、もう一度・・・もう一度言って・・・?





「もうすぐ・・・逢えますよ・・・孝太郎さん・・・」






・・もうすぐ逢えますよ・・孝太郎さん・・??









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ハッと目を覚ますと、目からは涙が溢れていた。





右手の甲のアザがツキンと痛む。






いつもの夢とは違って、とてもリアルで。





もうすぐ逢えるという言葉を聞いて、ホッとしたようなせわしく胸をかきたてるようななんともいえない気持ちがあたしを支配している。






・・今何時だろ・・





ふと時計を見て自分の目を疑った。





さっき寝る前は23時を回っていたのに・・・





今はまだ22時半だった。





なに・・?この感じ・・




あたし・・・なんか変・・・





「・・孝太郎さん・・」





急に思い出した名前を口に出した瞬間、また手の甲のアザがツキンと痛んだ。








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