転生と赤い糸



翌朝。





いつもよりも念入りにお化粧をして、制服を着る。





龍の学園祭は、外部の高校生は制服を着ていかなくてはいけないらしい。





いつもは下ろしているだけの髪の毛を、サイドで一まとめにしてフィッシュボーンを作って、ちょっと緩めにほぐす。





髪の毛が茶色だったら、このフィッシュボーンも様になるんだろうけど・・・





あたしはどんなにまわりの友達が茶髪になろうが、パーマをかけようが、黒髪ストレートを貫いていた。







【今から向かうね!!】






そう龍にメールを入れてあたしは家を出た。






家を出て、一歩踏み出した時から、急に鼓動が速くなった。






まるで全速力で走っているかのように・・・






龍に早く会いたいからだろう・・・勝手にそう思いこんだ。










「・・綾・・早く・・・」









頭の上からそんな声も聞こえた気がした。







幻聴??






自分の身体が自分のじゃないみたいに勝手に動いているようで・・・







とにかく急がなくちゃ・・・






< 11 / 76 >

この作品をシェア

pagetop