転生と赤い糸
翌朝。
いつもよりも念入りにお化粧をして、制服を着る。
龍の学園祭は、外部の高校生は制服を着ていかなくてはいけないらしい。
いつもは下ろしているだけの髪の毛を、サイドで一まとめにしてフィッシュボーンを作って、ちょっと緩めにほぐす。
髪の毛が茶色だったら、このフィッシュボーンも様になるんだろうけど・・・
あたしはどんなにまわりの友達が茶髪になろうが、パーマをかけようが、黒髪ストレートを貫いていた。
【今から向かうね!!】
そう龍にメールを入れてあたしは家を出た。
家を出て、一歩踏み出した時から、急に鼓動が速くなった。
まるで全速力で走っているかのように・・・
龍に早く会いたいからだろう・・・勝手にそう思いこんだ。
「・・綾・・早く・・・」
頭の上からそんな声も聞こえた気がした。
幻聴??
自分の身体が自分のじゃないみたいに勝手に動いているようで・・・
とにかく急がなくちゃ・・・