転生と赤い糸
人が少ないからか、龍がサナさんの傍に居るからかわからないけど
木下君に手を繋がれてるのが、嫌じゃない・・・
淋しさを紛らわせているみたいで申し訳ないんだけど・・・
・・・前世のちゃんとした記憶はない・・・
でも・・・この手は温かいし、懐かしい・・・それに愛しく感じる。
あたしは、思わず手をギュッと握った。
「・・綾??」
「っあ!!・・ごめん・・・」
パッと、手を離そうとすると、木下君があたしの手首を掴んで、引き寄せた。
「木・・下君・・?」
「・・・わりぃ・・・もう少し・・・このままで。」
「・・・うん・・・」
木下くんは、あたしの耳元でそう言うときつく抱きしめてきた。