転生と赤い糸


人が少ないからか、龍がサナさんの傍に居るからかわからないけど





木下君に手を繋がれてるのが、嫌じゃない・・・





淋しさを紛らわせているみたいで申し訳ないんだけど・・・





・・・前世のちゃんとした記憶はない・・・





でも・・・この手は温かいし、懐かしい・・・それに愛しく感じる。




あたしは、思わず手をギュッと握った。






「・・綾??」





「っあ!!・・ごめん・・・」






パッと、手を離そうとすると、木下君があたしの手首を掴んで、引き寄せた。





「木・・下君・・?」






「・・・わりぃ・・・もう少し・・・このままで。」





「・・・うん・・・」





木下くんは、あたしの耳元でそう言うときつく抱きしめてきた。





< 44 / 76 >

この作品をシェア

pagetop