月の下でキスと罰を。
陽が傾いてきている。オレンジ色の光が工房に差し込んでいる。
瀬良は小田桐と話をしてから、青い顔色のまま出かけていった。またあたしは工房に一人、時折うとうとと微睡みながら過ごした。
家の中は静まり返っている。何の音も入ってこない。
こんな隔離されたような家から、瀬良の手掛ける美しい人形達が生まれている。
それは蘭子も小田桐も同じに感動して、そして、大きさや強さや種類は違うかもしれないけれど、瀬良を愛していたのだ。
動かなくなって、もう姿を現さないカヨも。
あたしだって、瀬良を愛している。