さよなら、片思い【完】
しばらく沈黙が続いたあと上原くんはダルそうに口を開いた。


「あのさ、さっきの俺の話聞いてた?俺、他に好きな奴いるし、どうでもいいような子と普通に寝れる男だよ?」


「それでもわたしは上原くんのことが好きなんです」


「……。由香里以上に好きにはなれないけど、それでもいい?」


その言葉にコクンと頷く。


「唯ちゃんと由香里が同時に助けを求めてきたら迷わずに俺は唯ちゃんを見捨てるよ?それでもいい?」


それでも構わない。


一緒にいたい、なにより大好きな貴方にあんな辛い顔をさせたくない。


わたしはもう一度強く頷く。


そんなわたしを見た彼は諦めたようにため息をついてわたしの顔に手を添えた。


「これからよろしくね。彼女サン」


そうしてわたしの唇と彼の唇が重なった。


はじめてのキスはなんだか辛い味がした。
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