さよなら、片思い【完】
クスッと笑い声が聞こえて恥ずかしくなって、顔を赤くしながら彼女を睨んだ。


「なっ、なにさ!せーりげんしょーなんだから仕方ないじゃん!」


「うん、そうだね。そうだ!今から家に来ない?笑っちゃったお詫びにごはんご馳走させて?」


笑っちゃったお詫び、って。そんな子どもをあやすかのような誘い方。


でも、なんかこの人憎めない。


「…なっ、何作れるの?」


「洋中和、一通りは作れるよ?ただ凝ったものは今からじゃ難しいけど」


「ぉゃ…丼…」


「えっ?」


「親子丼!作ってくれるなら、いいよ!」


わたしがそうリクエストすると嬉しそうに頷きながら「美味しい親子丼、作るね」と笑った。


表情がコロコロ変わる人。


一緒にいると素直な気持ちになれる人。


2回目の出会いはそんな印象を持った。
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