さよなら、片思い【完】
「ミキさん、俺と付き合ってるんだよね?昨日一緒にいたヤツって誰?」


「キャハハ!充くん、マジメ〜。充くんかっこいいから付き合ったけどやっぱりまだおこちゃまなんだもん。つまんないよ〜」


初めて異性と付き合ったのは中学に入学してすぐ、ひとつ上の先輩に告白されて、


でも遊ばれていてすぐにフラれた。


それからマジメに恋愛したってつまんないなら軽く楽しく付き合いたいと思うようになった。


「ミカちゃん、マジ可愛いよね〜!どう?俺と付き合わない?」


「いいよぉ!ミカも充くんタイプだしぃ」


顔は自分で言うのもなんだけど良い方だから女には困らないし、友達付き合いもいいからかなり充実した毎日だ。


そして高校の入学式、運命的な出会いをした。


入学式が終わり体育館から教室に向かう廊下でみんなワイワイしながらこれから始まる新しい生活に期待を膨らませている。


「なぁ哲!あの子可愛くない!?あっちの子もいいなぁ。声かけてこようかなぁ」


「大志、お前必死すぎ」


「必死にもなるさ!お前や充みたいなイケメンに俺の苦労がわかるかよ!」


俺の前を歩く大志がワーワー騒いでる横で哲がうんざりした顔をしているのをボーっと眺める。


「なぁ、充は?イイ子いた!?」


後ろを振り向きながら大志はワクワクしながら聞いてきた。


「まだ初日だからわかんねぇよ」


適当に良い子がいたら付き合って飽きたら別れての繰り返し。中学のときと変わらない恋愛をするんだろうと、漠然にそんなことを思っていた。


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