さよなら、片思い【完】
上原くんはわたしの作るご飯をいつも綺麗に食べて美味しいと微笑んでくれる。


片付けは上原くんも手伝ってくれたからすぐに終わり、ふたりでソファに寄りかかって学校に行くまでの時間をゆったりと過ごす。


上原くんが昨日買ったばかりの情報誌をペラペラ捲りながらふたりで次のデート先を決める。


最新の映画情報やショッピングモールに出来た大型のスイーツビュッフェにライオンの赤ちゃんが生まれたばかりの動物園。


噴水公園にあるジェラート屋さんも行ってみたいな。


そう思っているとページを捲っている上原くんの手が止まった。


あっ、と思ったときには時すでに遅く上原くんの瞳は見開きページに写っている彼女を見つめている。


小さな顔に大きな瞳、筋の通った高い鼻と柔らかそうなふっくらとした唇、ふわりとした茶色の髪には天使の輪がかかっている。


誰もが羨む容姿を持った彼女。


上原くんの好きな人。


ページはリップグロスの広告ページでキャッチコピーは【唇から恋、してみませんか?】とでかでかと載っている。
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