さよなら、片思い【完】
「あっ、それね。哲くんが書いてくれたの。わたしもこの前までちょっと喉の調子が悪くて、それずっと舐めてたんだ」


わたしがのど飴に書かれていたメッセージを不思議に思ったのを気付いたのか恥ずかしそうに顔を赤くして説明してきた。


なんだかこちらまで照れてしまう。


「そうなんだ…。ありがとう」


「うん。早く良くなるといいね」


貰ったのど飴を握りしめて、わたしは複雑な気持ちになった。


唯ちゃんとおしゃべりをしてしばらくすると、唯ちゃんの携帯電話が鳴った。


「はい、もしもし?」


唯ちゃんの嬉しそうな顔と弾んだ声に電話を掛けてきた相手が誰かなんてすぐにわかる。


「哲くん、授業終わったの?…ふふっ、本当?…うん、じゃあわたしも今向かうね。……うん。はい、じゃあまたあとで」


「上原くん?」


わかってるはずなのに電話を切った唯ちゃんに気付いたらそう尋ねていた。


「うん。このあと、一緒に買い物に行くんだ」


そうはにかみながら笑った唯ちゃんは正に恋する女の子で。


「そうなんだ。楽しんできてね」


笑顔を貼り付けてわたしは図書館をあとにする唯ちゃんに手を振って見送った。
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