さよなら、片思い【完】
空は快晴、降水確率0パーセント、


3段重のお弁当にはおにぎりと甘い卵焼き、たこさんウインナーと唐揚げにちゃんと野菜炒めも入れてバランスよく。


別の箱にはウサギ型のリンゴとぶどうを詰めてデザートもバッチリ。


「なぁ、唯。本当に行くの?動物園」


「お願い、上原くん。今日一日わたしたちに付き合ってよ」


納得いない顔をして、わたしが作ったお弁当をつまみ食いしていく上原くん。


あのあと、わたしが高井くんに突きつけた条件。


上原くんも一緒に行くならーーー


最初は嫌な顔をしていた高井くんだけど、可愛いレオくんのためにその条件を渋々飲み込んだ。


そして、わたしはその日のうちに上原くんにことの経緯を説明し、今日を迎えたのだ。


「まったく。俺の知らないところであいつと関わってるし。変な約束取り付けてくるし」


「だって…」


「唯は人が良すぎる。まぁそれが唯の良いとこだけど。唯のお願いは断れないな」


あんなに必死な高井くんの頼みを断るなんて、できないよ。


「ありがとう」


「さぁ、そろそろ時間じゃないか?」


時計を見るともうすぐ待ち合わせの時間で。


「うん!行こう」


わたしと上原くんは高井親子の待っている駅へと向かった。


「お姉ちゃん!」


レオくんはわたしたちを見つけると大きく手を振りながら駆け寄ってきた。


「お姉ちゃん!こんにちは!それと今日はありがとう!レオ、すっごい楽しみなんだ!!お兄ちゃんもありがとう!!」


わたしたちにお辞儀をしながら元気いっぱい挨拶をするレオくん。


「…おい、この子、本当にお前の子か?嘘だろ、こんな良い子がお前の子のはずがない」


「相変わらず失礼なヤツだな。唯、早く別れた方がいいぞ。そして俺に乗り換えろ」


もう、この二人は会った瞬間に仲が悪いんだから。


「レオくん、動物園行こうか」


バチバチと火花を散らしている二人は今日は放置。


今日の主役はレオくんなんだから。
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