傷×恋=幸
そして戻ってきた親父と一緒に家に帰宅。



必要なことは親同士で話せばいい。



「ちー、部屋こっちだから」

「ありがとう…」



部屋に入った途端、フラッと倒れ込んだちーをとっさに支えた。



えっ…。



細い…。



「ごめん、寝てなくて…」

「メシ…食わないのか?」

「寝たい…」

「そう…」



ベッドに寝かせると意識を失うようにすぐに眠りに入った。



チラッと見えた太股の痣。



マジで虐待受けてたのか…。



布団をかけると聞こえてきた寝息。



腕も足もカラダ全部細い…。



まともに食ってなかったのかも。



大丈夫だよな?



このまま起きないなんてねぇよな?



なぜか急に怖くなって、眠るちーの手を握った。



脈を感じてホッとして。



邪魔そうな前髪をかきあげてやった。



静かにしとくか…。



部屋を出てリビングに出ると深刻そうな親父と母ちゃん。



「しばらく様子をみようと思う」

「明るく振る舞っていいよね?」



家ってちゃんと『親』がいるんだ…。



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