秘密


「…俺達もさ?…最初は浮気だったんだぜ?あはは」

いきなり爆弾発言をする拓也。

「…はは…そうなんだ…」

笑うしかない…
拓也め俺達の事、全部知ってやがる。

まあ俺も知ってると思ってあんな質問したんだけどね?

「俺と美樹って元々お互い幼馴染みでさ、中学は別々だったんだけど、小学校の頃はそんな事意識したこと無くてさ、毎日一緒に遊んだりしてて、中学三年間は会う事も無くなって、殆ど忘れてて…」

「…うん。それで?」

「高校進学して美樹に再会したときは驚いた、あの猿みたいだった美樹がスゲー可愛くなってるんだもん、はは…」

「……猿って…」

「でも子供の頃と性格は全然変わってなくて、勝ち気で、面倒見がよくて…そんな美樹に彼氏が居ない筈もなくて…俺にもその頃高校は別々だったけど、中学から付き合ってた彼女が居たし…」

「…うん」

「だけど、どんどん美樹に引かれていって、我慢出来ないで告白したんだよ」

「へぇ、やるじゃん、で?」

「で…振られた」

「…何だよそれ?」

「けど、諦め切れなくて、無理矢理…」

…やったのか?

「キスした…」

……キスかよ…

「そしたら美樹泣き出してさ」

…まあ、当たり前の反応だな

「引っ叩かれた」

……同然だな

「何でもっと早く言ってくれなかったのって…」

…え?そっち?

「スゲー怒られた、もっと早く言ってくれたら他の人の告白なんか受けなかったのにって、美樹も俺と同じ気持ちだったらしくて、でも、高校入学して俺に彼女が居るって、人から聞いて、ずっと前から美樹の事好きだったてやつと付き合う事にしたんだって。

今さら言われても、もう遅いって言われた、前からずっと美樹の事好きだったってやつは、何度も美樹に告白してて、やっと美樹と付き合えるようになったのに、今さら断る事なんか出来ないって。

俺、それでもいいって言った、美樹が俺の事好きだってわかって、スゲー嬉しくて、そんで陰でコソコソ美樹と合うようになって…でも、実際そうやって付き合うようになっても、何にも変わらないような気がしてきて、好きだからこそ余計にハッキリとさせたくて…」


拓也の話はまるで俺と奏みたいで…



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