秘密


「…んっ…ちょっ…佐野…君…」


なかなか離れない彼の唇から逃れようと、隙間から声を絞り出したけど、再び強く塞がれてしまい、さらに声を出した為、口を開けてしまった私の中に、彼の温かいものが滑り込んできた。


「…んっ…や…さのく……ふ…んっ…」


無理やり声を出し、変な声が溢れてしまう。


佐野君はさらに深く入り込んでくる。


私の首筋に触れると、その手をゆっくりと下に降ろしていき、制服のブレザーの中に手を入れ、胸の膨らみに手を当てた。


「……やっ!」


私は咄嗟に彼の胸に手を当て、力一杯腕を伸ばす。


「……ごめん。…なんか…理性が飛んでた…」


佐野君の少し慌てたような声を、彼の胸に手を突っ張り、うつ向きながら聞いていた。


「……佑樹達も…ここまではやってないかもよ?」


私は彼の温かいものを思い出す。


「……それ以上のやってたら…俺達もやっちゃう?」


と佐野君は意味深な事を言う。


私は顔を上げて、


「……どう言う事?」

「……浮気なんだから…当然でしょ?そのつもりじゃなかたっの?奏?」


言われて私は言葉に詰まる。


あの写メを見て少し頭に血が登ってたみたい。
冷静に考えればそうなんだ。


「……佑樹達がやってたらね…」


私はそれだけ言うと、今度こそ彼から離れ理科室を出た。


扉を後ろ手に閉めると、佐野君の声がした。


「バイバイ、奏。また明日」



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