秘密


内心。
心臓が破裂しそうな位緊張していた。


理科室の扉が静かに開いた時は口から心臓が飛び出すんじゃないかと思うほど、ドキリとした。


なるべく平然を装って俺は彼女に言った。


「あ。ホントに来た…」


扉を閉めると、その場にじっと立っている彼女に何か言わなければいつまでたっても俺の方に来てくれそうない。


「…こっち来て」


俺がそう言うと、彼女はゆっくりと近付き、俺の前に立った。


ああ。


駄目だ。


我慢出来ず俺は彼女を引き寄せる。


「ふぐっ!」


すると彼女は俺の肩に鼻をぶつけてしまたっらしく、鼻を押さえて上目遣い。


「あ。ごめん」


その顔。

ヤバいって。

かわい。


たまらず彼女を抱き締める。
華奢な身体はすっぽりと俺の腕の中。


頭に頬を擦り付けると、シャンプーなのかいい香りがして、軽く目眩がしそうになる。


彼女の顔をもっと近くで見たくて、額に額をくっ付けた。


「とりあえず…キスしようか?」


もう、限界。

キスしたい。


「…うん」


俺は彼女の白く柔らかい頬に手を当て、彼女の顔を上げた。


一瞬目が合うが、彼女は目を閉じる。


睫毛長い。

化粧してない。

肌綺麗。


至近距離でマジマジと彼女の顔が見れるのも、彼女が目を閉じているから。


俺はもっと見つめていたいと思ったけど、彼女の唇がその考えを打ち消した。


ゆっくりと彼女に吸い込まれていく。



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