神様、恋をください。
例年より遅い梅雨が終わろうとしていた。


そして私たちの恋も終わろうとしていた。


「杏樹!!!!大変!!梅雨明日で終わるよ」

朝早くから、菖がとびまわっていた。

『マジ!!散歩いけるじゃん!!』


慶仁と会わなくなって、

会えなくなって1ヶ月が経つ。



“待ってろよ。”



待てないよ。


もう私、決めたんだ。

慶仁とは、もう、

もう二度と会わない。


なんでって??


慶仁のことが

好きで好きでたまらないから。

慶仁を想うだけで

幸せすぎるから。


慶仁と会えないと、

私、おかしくなっちゃうから__。


好きだから離れる。

皆が聞いたら納得いかないと思う。だけど、私が決めたんだ。


もう、苦しい想いはしたくない。


『菖...』

「何??テンション低っ!!」

『話がある。』

菖はだまって私の話を聞いてくれた。

菖は泣いていたけど、私は泣かなかった。


「最後に聞くよ。杏樹は__」

『今でも、大原慶仁の事が好きです。』


自分で決めたことなのに

苦しい想いはしたくなかったはずなのに

私はなんで慶仁のところへ

心が戻ってしまったんだろう


なんで____。



< 26 / 71 >

この作品をシェア

pagetop