債務者ゲーム
「ん…」

車で連れ去られてからどれだけ時間が経っただろうか。

目を覚ますと、俺の手足には枷がしてあり、何もない6畳くらいの部屋のフローリングの床に横になっていた。

「クソッ…」

始めは何とか逃げようともがいたが、俺は段々と自分が置かれてる状況がわかり、抵抗するのをやめた。

借金の返済が遅れてしまっていたので、その報いを受けるのだろうと恐怖していた。

こうなったのは、彼女のせいでも誰のせいでも無く、自分のせいである。

俺は数分間は恐怖心でいっぱいだったが、やがて深呼吸し、腹をくくった。

『ガチャ』

それと同時に部屋のドアが開き、さっき俺を拉致ったのとは別の、2人の黒スーツの男が部屋に入ってきた。

顔にはサングラスをかけており、恐怖心を煽った。

「俺に何の用だよ…」

俺の声は弱々しく震えていた。

腹をくくったものの、知らない場所で、さらに身動きが取れない状態で、厳つい奴2人にご対面したら誰でも恐怖でこうなるのが普通だろう。

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