きみの声がきこえない

屋上での出会い


人いたの?

あっちの陰にいて気付かなかったのかな?


「パンツ見えてます」

「ぎゃあ!」


思わず体を起こしてスカートを押さえた。

ぐちゃぐちゃの髪でその男を見上げる。


「ここ勝手に開けてるから、そろそろ閉めるよ?」

「え?どういうこと?」

「立ち入り禁止なんだけど、職員室から鍵パクってきたんだよ」

「ええっ!」

「それとも預けようか、鍵」

「いい、あたしも帰る」


「そ」と笑って、

男は鍵をくるくる回してみせた。
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