きみの声がきこえない

―――どうせ俺のことなんて、みんなどうでもいいんだ。

俺なんて、いてもいなくても同じなんだ!


―――誰もあたしを必要としてくれない。

寂しいよ……。


―――どうして分かってくれないの?

私はこんなに苦しんでるのに……。



ひっきりなしに、耳鳴りが続き、心臓がドキドキして、

人の声が耳に入ってくる。


周りを見渡すと、サラリーマンや、ケータイをいじる女子高生、ティッシュを配るピアスの学生など、色んな人で溢れていた。


その雑踏から、

声がうねって浮き出てくる感じだ。



がやがやした人込みの中で、耳鳴りはひどくなった。

声は重なり合って、耳に響いた。



何なのこれ…!?
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