ご主人様に首ったけ!
「露の入れた紅茶が飲みたいんだ。出来る?」

「あ、はいっ」


この家にあるのは、ティーパックのものではなく、葉っぱから入れる紅茶。


茶葉から紅茶を入れたことなんてなかったけど、綺ちゃんに教えてもらってたくさん練習したんだよね。


一応、綺ちゃんはおいしいって言ってくれたけど……。

霧様のお口に合うかなぁ?


「じゃあお願いしようかな。そこの棚に必要なものは一式揃っているから。
楽しみにしているよ、露」

「は、はいっ」


霧様は、ティーセットのある棚を指差して教えてくれると、部屋の中心においてあるテーブルに座ると、楽しそうな表情で私の行動を見つめはじめた。


ひゃあ~、緊張する。


私は、なんとか平静を保ちながら、棚から茶葉と、丸いティーポット、そして、カップとソーサーを取り出すと、早速準備に取り掛かった。


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