貴方の恋人になりたいです



誕生日プレゼント……?


忘れたって言ってたくせに。


さっきのは嘘だったってこと?


もうわけわかんない……。


ラッピングを解き、包み紙をペリペリと綺麗に剥がした。


前に一度やられたびっくり箱じゃないことを願って、恐る恐る箱を開けた。





中身を手に取り、目の前までかかげる。


プレゼントはアンティーク調の小物入れだった。


繊細な装飾がほどこされ、中にはオルゴールがついていた。


曲は、昔二人で作ったメロディー…。


懐かしくて、胸がキュッと締めつけられた。


思わず涙が頬を伝った。


「ばか…なんで忘れたなんて嘘ついておいてこんな……。」


壊れ物を扱うようにそっと胸に抱きしめた。





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