俺様男は、忠犬〇〇公！？

「校門に、黒部男子校の生徒がいるって」

「しかも、超イケメン！！」

「見に行こう～」


そういえばうちの学校、他の学校より終業時間が遅かったんだ。



「菜摘！あんたが言ってた男って、今校門にいるのでしょ！？」

万里が興奮気味に、話し掛けてきた。


「そうだよ…はぁぁ」

「何溜め息ついてんの！？あの橘 光汰よ！！」


「万里、橘…さんのこと知ってるの？」

「当たり前よ！黒部男子校の王子！その存在を知らない女子高生は、いないよ！」

「…私、知らなかったけど」


あ、違うか。
興味がないんだ。

「で、菜摘を迎えに来たんでしょ！？ついでに、私を紹介してよ～」

「したいけど、橘…さんとは会わない。裏門から帰るから、後よろしく」

「えぇ～」


まだ何か言いたそうな万里を無視し、教室から出て裏門に向かった。