KAGAMI


何よ、謝りもしないで。

きっと褒めてくれる、なんて考えて浮かれてた自分が滑稽に思えた。
思わず笑いがこぼれる。

「なした?なんで笑ってんの?」

想太くんは、鈍感。
こんな時だけ。

アタシが泣いた事も知らないで。
ノーテンキでむかつく。


「何でもないよ、思い出し笑い」

嘘じゃない。
アタシは想太くんみたいに、嘘はつかない。
隠し事はするけど、嘘はつかないもんね。




「そっかー。」


想太くんはポツリと呟いた。

「それで、昨日さー」


想太くんは続ける。


聞きたかったけど、聞きたくない。


「ごめん、遅刻するか帰ってから聞くね!」



学校用のアタシで言って、振り向かずに家を出た。



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