KAGAMI
気が済むまで寝て、目を覚ました。
普段感じない気配を感じて、近くのソファに目を向けると麻子さんが座って俯いていた。
「あ、麻子さん…?ごめん、結構寝てた」
パッと麻子さんは振り向いて僕の方を見た。
「熱は?!」
ぱたぱたと近寄ってきて、僕の額に手を当てる。
「うん、薬が効いてるみたいね!想太くんすぐ寝ちゃったから、体温計見たら39度もあったんですよ?」
そっか、熱計ってたんだっけ…
忘れてた。
「でもまだ治ったわけじゃないかあ、しばらく安静にしてること!」
ばらばらな敬語を使う麻子さんは、僕が起きるまでつきっきりで看病してくれてたみたいだ。
「あぁ。いろいろありがとう…ん?」
薬が効いてる…?
僕、薬飲んだっけ?
確か、おかゆを少しだけ食べて…
「薬…?」
バっと顔を赤くした麻子さんが僕の目の前に居た。