KAGAMI


お母さんはハッとした様子で、アタシを抱き締めた。


「ごめん、ごめんね…莉麻、ごめん」

壊れた様に繰り返して肩を震わせるお母さん。


アタシは涙が止まらなかった。

「うぁぁあぁあぁぁ!」



怖かったよ…

お母さん、怖かった…


「大好きよ、莉麻…だいすき」




あぁ、聞きたかった言葉。


『莉麻ちゃんの事が大好きだから、頑張りすぎちゃった』


先生が言った事は一緒だったみたい…


大好きって言ってくれた。
アタシが大好きなお母さんが、大好きって言ってくれた。

それだけで充分。



だけど…。

ひとつだけ、お母さんに求めるなら


「ごめんね」



あの言葉の裏には、どんな意味があったの?



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