激愛パラドックス
「おっと!それより今どうなってる?」


「今はまだ始まったばかりだから得点は無しだよ。向こうで皆固まってるから、アッチ行く?」


彩乃に聞かれて頷いて着いて行くと顔なじみのメンバーが沢山いた。


同じクラスの女子と男子。
違うクラスの子とはあんまり話した事は無いけれど、知らない高校にいる今は、とても心強く思える。



「ところでさ、練習試合でこんなに見物人がいるのは何で?」


好に聞くと、驚いた顔で私を見た。


「サッカー部、めちゃめちゃ人気なんだよ?それすら知らないなんて、ユキは本当無頓着というか、冷めているというか…」


周りを見れば、圧倒的に女子が多く、コンサートで使うような団扇まで持っている子がいた。



…げっ!アイドルかよっ。


「まぁ、殆どが愛しの羽柴センパイ目当てなんだけどね?」


ニヤニヤした顔の好から一歩退いて、センパイの姿を探す。




あっ、目が合った!



たった一瞬だったけれど……。




「じゃあ、私は中に入るから!」



「いってらっしゃーい」


「マネージャー頑張って!」




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