戀愛物語
「おはよう…遡羅くん」

痛いくらいに視線を浴びながら、なんとか返事をした。
すると目の前に立つ少年…敷島遡羅(そら)が、笑みをいっそう深めた。
目眩のしそうなほどの美しさを持つ彼だったが、その完璧な容姿の中でもひと際目を奪われる箇所がある。
それは髪のすべてを染め上げた白。彼は美しい白髪だった。
どうしてそうなったのかはわからない。けれどよく似合っているし、遡羅自身の魅力を引き立たせるものでもあった。

「うん。クラスまで一緒に行こうよ」

「え…クラス? 同じなの…?」

彼の言っている意味が分からず、首を傾げる。
確かに一年の頃は同じクラスだったが、二年でもそうとは限らない。
けれど遡羅はまるで知っているかのような口調だった。

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