偽りの温もり

偽りの関係

リョウは私に駆け寄り
私を抱きしめた。

「リョウ…?」

でも、この人は
リョウじゃないんだ。

「俺、、タカシ。
…リョウって
呼びやすいだろ?
しかもタカシって
俺っぽくねーし」

今、考えると
ふざけた理由だし
子供っぽすぎる。

「…なにそれ。
タカちゃんで
いいじゃん」

「タカちゃん、か…
リオに呼ばれるのは
悪くないかもな」

タカちゃんなら
傍にいてくれるかな。

「…タカちゃん…」

‐『人を利用すんの
もう辞めろよっ!!』‐

私はヒデから
言われた言葉を
思い出した。

「呼んだ?」

「…何でもないっ」

私はリョウ、改めて
タカシに手を引かれ
タカシの家に向かった。

「ただいまー」

「おかえり」

中から電話越しからの
声の主が現れた。

「俺の姉ちゃん」

「タカシが
お世話になってまーす」

漫画みたいな
展開になった。

それがおかしくって
笑いがしばらく
止まらなかった。

二人の頭には、はてなが
きっとあったと思う。
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