偽りの温もり
まさかの漫画みたいな
展開になった。笑

私はただ泣いて
誰もいない屋上へと
向かうしかなかった。

「…ッ…なんで…?」

ヒデを完璧に
好きになる前で
本当に良かった。

まだ、戻れる。

‐ギィーッ‐

「…リオ?」

屋上のドアが開いた。
あの声はリカだ。

私は急いで
少し上に上った。

「いるわけない、か…
……ふふふっ…
アハハハハハハハっ」

リカの笑い声が聞こえる。

「ぁ、ヒデー?」

リカはヒデと
電話してるみたいだった。

「ヒデのおかげで
アイツ、落とせたよ
本当、サンキューな」

見たことがない、
リカだった。
きっと…いや、絶対に
あれが本当のリカ。

「調子に乗るから
いけないんだっつーの
次は…どうしよっか?
ね、ヒデ?」

しばらくして
リカは下りていった。

私は震えが
止まらなかった。

ここにいちゃ、
いけない。
いたら、痛い目に遭う。

「…」

私は学校を後にした。
< 28 / 120 >

この作品をシェア

pagetop