偽りの温もり

意外な出会い

席に着くなり、

「メインのリオちゃんの
登場でーす」

と、訳の分からない事を
言い出すヒデ。

そういえば
会った時、
少し顔が赤かった。
先に飲んでたみたいだ。

そんな浮かれていたヒデが

「んじゃー改めて
紹介しまーす」

と、また
浮かれ始めた。

「あっ!!カナーっ」

「リオたーんっ
久しぶりーっ」

そして、それぞれ
紹介に入る。

「ヒデでーす
今、サラリーマンを
してまーす」

「カナですっ
ヒデの彼女してまーす」

「は!?まじっ?」

私は驚きだった。
いや、驚くと思う。

あの時、何も
言ってくれなかった。
だから、てっきり
私の知らない人だと
思い込んでいた。

「ほい。リオの番」

「…あ…うん。」

ほら、たまに
ズキッてなる。

受け入れられない、
自分がいた。

「リオです。
歯科衛生士してます」

「あ!!」

誰かが声を出した。

驚いた顔をしていた、
男の人。

「古田です。
塾講師してます」

古田さん…
どこかで見た事ある。

「…あ!!」

思い出した。

「古田…雅也さん…
ですよね?」

そう。
患者さんだ。
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