偽りの温もり

私の正体

ある土曜日。

私は一人で家にいて
自分の時間を
過ごしていた。
もうすぐ、
おやつの時間だ。

最近、リョウと
連絡を取り合ってない事に
気がついて
携帯を手に取る。

その時、電話が鳴った。

「…はい」

『ぁ、リオちゃーん?
タツオだけどー
今日、会えるー?』

名乗らなくても
分かるっつーの。

「うんっ。
7時くらいでいい?
リオね、今
友達とお茶してるのー」

『少し早く来れたら
来てくれる?
リオちゃんに
早く会いたいから』

そんなクサイ台詞、
よく言えるもんだ、と
感心する。

『…なんて
らしくないかな』

「そんな事ないよっ
リオ、超嬉しいっ」

私も同じか、と
一人ツッコミをしながら
タツオと話す。

『じゃー…
いつもの場所で
待ってるから』

私は電話を切り
シャワーを浴びて
準備を始める。

タツオは
ギャル系と清楚系の
間を好む。

ロングヘアーを
少し巻いて
短すぎない、
スカートを選ぶ。
そして、
化粧は薄めに…

何だかんだで
6時になっていた。

「そろそろ出るか」

私は家を出た。
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